特大マスクで顔を隠す生活に終止符、舞踊会にも出られた！

～顔面神経麻痺～

O.Mさん　（女性　64歳　主婦　埼玉県比企郡吉見町）

平成18年9月中旬、特大のマスクに帽子を目深に被り、まるで人目を避けるようないでたちで、O.Mさんは、舞踊仲間のご友人に連れられ当院を訪れました。

「私の顔面神経麻痺は、10年前に右側に始まり、そのときはK病院や東松山のH病院で点滴やマッサージ、温熱療法を6年ほどしてなんとか治ったのですが、今度は1年ほど前から、左側に麻痺がおこってしまったんです。前回と同じ治療をしてみましたが、顔の歪みはどうしても変わらず、困っているのです。」
そう話すO.Mさんの顔半分は、歪んだ固い表情のままで色艶も無く、その反対の右側の生色溢れる美しい顔とはあまりにも対照的で、無念の心が私にも伝わってきたのでした。

「大丈夫ですよ。顔には顔のポイントがありますから。帰るときにはきっと変わっていますよ。」と励まして、治療を開始しました。
土台の骨盤を正し、その後に全身の骨格、最後に顎の関節を調整して、O.Mさんに口を大きく開くよう言いますと、「まあ、こんなに大きく口が開くなんて．．．、顎も楽になりました。これから食事の時にも、普通に噛んで食べられそうです。今までは、つい唇を噛んでしまっていたんですが、有り難いです。自分でも顔が楽になって変わったのがわかります。今、鏡を見てきます。」と、早々に鏡の前へ行き、「嬉しい！　あんなに曲がっていた口の片上がりが、イッペンで半分以上戻ったわ！　この1年は何だったのかしら？」と、全身で喜びと嬉しさを何度も表して、元気に帰宅されました。

以来１ヶ月半、24回受療し、回を重ねるごとに上がっていた唇が徐々に下がり、10月
30日には、注意して見ないと判らない程度になったのでした。左側の顔色も右側と同じく生気を取り戻し、「この1年、どんなに化粧をしても顔の歪みは隠せず、舞踊のお稽古も休みがちでしたが、新春の発表会には出られそうです。」と目を輝かせていました。

その微かに残った口の端の上がりも、11月末には消え去ったのですが、念のためと再発防止のために1月の発表会までは週1回通院され、1月の発表会には久々に出演でき、大勢の観客の前で、踊りを披露できたのでした。

O.Mさんのような『顔面神経麻痺』や、顔の片側に強烈な痛みを感じる『三叉神経痛』は、いずれも頭蓋骨や顔面骨、頚椎（首の骨）の変位によって、血液循環が妨げられ、神経が圧迫されて起こります。ですから、それらの異常を取り除いてあげると、痛みは止まりますし、麻痺した顔も血管の圧迫が取れれば、確実に快方へ向かっていきます。
万病一元血液循環不良です。
それにはまず、こうした変位の大元である骨盤の仙腸関節の狂いを正すことから始めます。
そして全身の骨格を調整し、頭蓋骨、顔面骨、頚椎の変位を正すのです。

顔立ちも本来整い、身のこなしに柔らかさもあるO.Mさんでしたが、寝込むような病気ではなくても、顔面神経麻痺の為に、長い間辛い思いをされたと思います。
実は私も昔、踊りの手ほどきを受け舞台に上がった経験がありましたので、O.Mさんの言われた「踊りは仕上がっていたのに、顔の歪みで人前に出られなかった悔しさ」も人事と思えず、そのせいかO.Mさんが熱心に治療に通い、晴れて復帰できたことは、私自身もなんとも嬉しい思いがしたのでした。