「医学的処置」に翻弄されつづけた人生に、ピリオド

～強度の肩こり・背部痛～

A.Kさん（女性　35歳　主婦　埼玉県熊谷市）

A.Kさんが当院へ初めて来て訴えた症状は、「肩こりが激しく、背筋が痛い．．．。」でした。
その為に、毎晩ご主人に45分間にわたって、それこそ手の皮が変色するほど叩いてもらわないと眠れなく、叩いてもらえないときは１０分おきに苦しくなって、ほとんど眠れない状態だったそうです。

聞くと小学生の時より、黒板の字が2重に見えたり、幻聴のような症状もあり、生理痛も激しかったそうです。
社会人になって、無理して参加した社員旅行から帰った夜、急に肩から背中にかけて激痛が走り倒れて意識を失い、救急車で病院へ運ばれたのですが、そこで言われたのは「癲癇症状」でした。「どうして肩と背中が痛いのが、癲癇なのか」と思ったそうですが、その後は癲癇の治療をさせられたのでした。
症状は改善されず、その後もいろいろな病院を紹介され転々とし、ある脳神経外科では、「頚椎が通常とは逆に湾曲している為、意識障害が起きる」と言われて、筋弛緩剤を打たれ、そのうちひどい薬の副作用が出て、このままでは敗血症になって死に至ると宣告され、他の薬に変えると、肩や背中は激痛が走るようになり、加えて腰痛や、トイレで力むと猛烈な頭痛が襲い、「ただただ困っていました．．．」とA.Kさんは語るのでした。

それから１２年間、新薬をいろいろ試させられ「医学的処置」に翻弄されつづけ、大事な青春時代を「入院と薬漬け」の散々な日々を送ってきたというA.Kさんに、私は「あなたの症状は癲癇ではありません。よしんばそういうことがあっても大丈夫ですよ。ともあれ治療をしましょう。私があれこれ言ってもしかたがない。あなたがよくならなければ意味がありませんから。この骨盤調整を身体でわかってください。」そう言って、治療を開始しました。

診ますと、肩の筋肉は分厚い革製品のような固さでした。当然のように腰の仙腸関節はズレており、脊椎はS字状で、頚椎も狂っていました。胸椎７．８．９．１０番の右側が硬直したように固かったので、付添いのご主人に「奥さんはときおりヒステリーを起こしたり、ヘンに頑固であったりすることがあるのでは・・・」と聞くと、「実は、そうなんですよ」と、ちょっと驚いた顔で答えたのでした。

治療は15分ほどで終わり、A.Kさんは肩の重荷が一気に取れた感じで、見るからに「緩んだ」という様がはっきりしました。ご本人も、「体がすっかり楽になりました。」と、来たときの固い表情と違ってニコニコしていて、ご主人も黙ったまま何度も頷いていました。

A.Kさんは「この時から、自分の健康について『希望』が持てた」と言います。
A.Kさんの治療に対する熱意は非常に強く、終始一貫変わりませんでした。治りたいという必死の思いがあったのでしょう。
そして、治療を続けるごとに身体の痛みがうすれ、現代医学で付けられた病名が一つ一つ自分の中から消えていくうれしさを実感していったのです。

A.Kさんのそうした変わりようは、愛情深いご主人の存在があったからでしょう。
ご主人は、営業マンとして仕事で行く先々でいい治療法がないかと聞き歩き、たまたま川越市の得意先で、「知り合いの歯科医がどうしても治らなかった肩の痛みがすぐに治ったらしい」という情報を得て、その歯科医師の電話番号を教えてもらい、奥さんを治したい一心で問合せたのが、当院を知ったきっかけでした。
そして、A.Kさんが私の治療所へ通い始めて、４、５回で、ご主人の夜の日課であった肩たたきは終わったのでした。
（「腰痛放っておくと大変だ　五味勝著」より抜粋）