膝に水が溜まる膝痛を克服し、熱海へ移住

～ 膝痛 ～

T.Tさん　（女性　66歳　元スナック経営　埼玉県熊谷市（現：神奈川県熱海市在住））

自宅を改造したT.Tさんのスナックは、料金が格安なのと、明るく大らかなT.Tさんの人柄で、とても繁盛していました。そんなT.Tさんも66歳になり、第２の人生は、お店を売って気候のよい熱海へ移住することにしたのでした。

ただ１つの心配事は、膝の具合です。１０年前より両膝に水が溜まるようになり、それまで４回水を抜いてもらっていましたが、その水も普通の人の４、５倍を抜いてもらうほどでした。息子さんや他の身内の方にも勧められ当院へ来院したT.Tさんは、初診時、「もう長い間、畳に座ったことがなくいつも椅子です。このまま熱海に行って歩けなくなり、駅の階段を四つん這いで上がるのはいやですから、どうかお願いします。」と、冗談をいう顔にも深刻な表情を浮かべて言ったのでした。

「何回水を抜いてもらっても、なぜ又溜まるのでしょう？私が太りすぎているからかしら。」腰のバンドもL.Lがやっと間に合うというほど大柄なT.Tさんは、『痩せるのは尚大変・・・』と、心配そうに聞いてきました。
「膝の水は、抜いた後が肝心です。膝の滑液や水の入っていた関節の腔所、水の入れ物を形作る筋肉や靭帯が萎縮して、血液の流れを悪くしてしまっています。新陳代謝の働きが低下しているままでは、入れ物に何度でも水は溜まります。太っておられても、血液の流れは良くなりますよ。骨盤の歪みが原因で、足の中心である膝も変形して、流れが悪くなっているのですから、それらを正せばきっと変わりますよ。」そう説明してから、骨盤調整をしました。

基本的な施術が終わると、「まぁー、体が軽くなった」と喜ぶT.Tさん。
仕上げに椅子に座っていただき、土踏まずから腿の付け根まで、太巻き３ｍのバラコンバンドを力強く巻き上げ、その後バンドを解放し、歩いてもらうと「なんでこんなに足が軽く上がるの？　これなら東京駅の階段も怖がらず歩けそう」と、嬉しそうな顔で言ったのでした。
私は、他に膝用と骨盤用のバンドの巻き方もお教えし、「熱海へ行っても、朝晩これらのバンドを巻いて、腰回し運動をしてください。膝は加減してかばっていると、かえって悪くなりますから、お腹の中でイチ、ニイと気合を入れて動かすといいですよ」と励まし、T.Tさんを送り出しました。平成９年の５月のことでした。

あれから１１年たち、その間２回ほど「お蔭様で元気にしています。」と、熱海からバンド買い替えの電話がありました。代わりにバンドを受け取りにみえる娘さんの話では、「いつもバンドを手放さず、それはそれはバンド療法に打ち込んでいますよ。」とのことでした。