あきらめていた不妊から一気に双子出産に

～不妊～

S.Hさん（女性　27歳　公務員　埼玉県鶴ヶ島市）

S.Hさんの初診は、平成16年10月のことでした。
聞くと、10年以上前から腰痛持ちで、「最近調子が悪い腰と肩を診て下さい。」というご本人の申し出でした。
しかし、かねてよりお母さんから、S.Hさんが長らく不妊で悩んでいると聞いていた私は、S.Hさんが恥ずかしく思わないよう言葉を選びながら
「お母さんからお聞きしていました。お子さんが欲しいのになかなか恵まれなくて困っていると。大丈夫ですよ、過去にもこの骨盤調整で妊娠できた方が何人もいらっしゃいますよ。」と今までの私の不妊治療例を２つほどお話して、元気づけました。
1つは東松山に姉がいる鹿児島県の女性で、たった1回の骨盤調整の受療で3ヵ月後に妊娠した方の話。もう1つは寄居町が実家の女性で、やはり施術の半年後に「妊娠三ヶ月」と連絡があった話です。

「一番早い人で、１回の骨盤調整で成功した方がいらっしゃいます。貴女の場合も１回で成功するか、数回かかるか判りませんが、信じてお出でください。そして妊娠しましたら、予定日の前日まで骨盤調整を受けて下さい。とても安産で出産できますから。産後の母体の回復も早く、生まれた赤ちゃんも病気がちにならず、共に健康に過ごせるでしょう。」　そういって施術に入りました。
施術が終わると、S.Hさんは「腰も首筋も肩も痛みが取れて軽くなりました。妊娠のことは日にちがたたないと判らないので、様子を見ながら参ります。」と帰宅して行きました。

　それから３ヶ月過ぎ、平成17年1月に2回目の来院。「まだ、妊娠していません。」
「それは残念なことで、すみません。もう少しかかるかも知れませんから、様子を見ながら諦めないで来てください。」と励ましました。
それからのS.Hさんは根気よく、月1回のペースで定期的に通院されました。
そして、その根気が身を結んだのは、平成18年8月でした。
「先生、妊娠しました！　しかも双子の妊娠です。欲しい、欲しいと思っていたら、いっぺんに二人です！」正に手放しの喜びようでした。
私も心から祝福し、これからは安産に向けて、からだを整えて行きましょうとお話しました。

それからの日々の早かったこと。月に平均３回の施術をつづけ、妊娠5ヶ月目に入り、バラコンバンドの妊娠巻きをお教えしました。「わぁ～　軽い。体を動かすのが大変ラクですね。」と嬉しそうでした。
そうして、自然分娩へ向けて体調管理をしながら、準備を進めていったのですが、4月に入り医師から「当院では、双子は帝王切開での出産」と言われたとのことで、少し残念そうでした。
ただ、お腹の子は順調で、男児も女児も1800gだったそうです。たいていの双子は片方が体重が少なく、出産後の発育に苦労するとのことでしたが、S.Hさんの場合はその心配はないといわれたのでした。

それから約1ヶ月半あまりして、妹さんがS.Hさん出産の知らせを届けてくれました。
母子共に元気だという嬉しい様子と、双子さんをお世話する忙しい様子が目に見えるように語ってくれました。
そしてその2ヵ月後、お母さんが来院され、S.Hさんからのメッセージを伝えてくれました。
『おっぱいも2人に授乳した後も、なお出が良くて、ミルクを作らなくてすむので、それだけでも大助かりです。私の人生のなかでこんな幸せの時が来るなんて、夢にも思っていなかった。今は幸せいっぱいの日々を過ごしています。』

それを聞き、ふと、自分の母親にもこういう時があったのだろうか…、と遠い昔を重ね合わせ、いいしれぬ思いが胸の中に満ちたのでした。